DeepSeek Harness rc.7アップグレード検証
DeepSeek Harnessをすでに運用しており、v0.1.0-rc.7へ移行する開発者と運用担当者向けの記事です。現行環境を直接上書きせず、隔離環境で会話履歴、プラグイン、Bash、画像添付、Web UIを順番に確認し、問題が出た場合に戻せる移行手順をまとめます。
目次
2026年8月17日に公開されたDeepSeek Harness v0.1.0-rc.7の公式リリースノートで、v0.1.0-rc.7が候補版として示されました。開発者プレビューで互換性を壊す変更があり得るため、DeepSeek Harness rc.7アップグレードは、稼働中の唯一の環境へ直接上書きせず、現行版の記録と隔離環境での回帰確認を終えてから段階的に切り替えてください。
対象には会話履歴、プラグイン、永続Bash、画像添付、Web UI、Safariの入力操作が含まれます。この手順は、DeepSeek Harnessを日常的に使う個人開発者、リモートMacや継続タスクを管理する運用担当者、チームのアップグレード承認と証跡をまとめる責任者向けです。
最終更新:2026年8月18日。バージョン、公開日、変更項目は公式タグ、公式リリースノート、公式ドキュメントを照合しています。
まず決めるべき移行タイムライン
本日行うのは、正式環境の上書きではなく、現行環境の棚卸しと基準タスクの保存です。次に隔離した作業領域でrc.7を起動し、最小タスクを通過させます。会話履歴、プラグイン、Bash、画像添付、Web UIの確認がすべて終わった段階で、低リスクのリポジトリだけを先に切り替えます。
DeepSeek Harness公式READMEでも、開発者プレビューであり、互換性を壊す変更が起こり得ることが示されています。リリースノートに「修正済み」と書かれていても、あなたのMac、Node.js、プラグイン構成、権限設定で同じ結果になるとは限りません。
今週の推奨アクションは次の順番です。
- 現在のバージョンと起動方法を記録する。
- 会話履歴、設定、プラグイン一覧を対象を絞って退避する。
- 独立したユーザー領域または別のリモートMacでrc.7を起動する。
- 最小タスク、既存会話、プラグイン、Bash、Web UIを個別に確認する。
- 合格記録と回退手順を残してから、低リスクの作業だけ移す。
第一段階:現行環境と回退先を固定する
最初に、次の情報をテキストで保存してください。
- 現在のDeepSeek HarnessのバージョンとGitのコミットまたはタグ
- npm経由かソース構築かという導入方法
node --version、pnpm --version、git --version- 起動したディレクトリと実際に選択しているワークスペース
- 設定ファイルの場所、環境変数、API接続先
- 有効なプラグインと、それぞれが提供する設定項目
- 実行中の継続タスク、未完了の会話、作業中のリポジトリ
Node.jsのバージョン確認は、シェルの表示だけでなく、Node.js公式のリリース一覧とプロジェクト側のpackage.jsonを照合します。Node.jsにはCurrent、Active LTS、Maintenance LTSなどの状態があるため、rc.7の検証では現在のランタイムの系列も記録してください。
設定と会話履歴は、環境全体を無差別にコピーするのではなく、公式ドキュメントと実際のファイルを照合して対象を決めます。APIキーを含む.envやシェル履歴をそのまま共有用フォルダーへ置くと、回退用バックアップが認証情報の流出経路になります。
macOSのバックアップ方針を決める際は、Apple公式のMacバックアップ手順も確認してください。アプリ設定だけでなく、作業データ、旧タグ、起動コマンド、回退後に実行する基準タスクを別々に保存すると、復旧時に戻す対象を判断しやすくなります。
モデル設定を保存する場合は、設定ファイルの存在だけでなく、実際に利用するモデル名とAPIの接続先を記録します。DeepSeek API公式のモデル一覧では、利用可能なモデルを/modelsで確認する仕様が案内されています。設定に古いモデル名が残っている場合は、アプリケーションの更新とモデル設定の更新を同時に行わず、原因を分けて確認してください。
Gitでソースを管理している場合は、現在のコミット、変更ファイル、サブモジュールの状態も保存します。Git公式リファレンスのgit statusによれば、git statusは作業ツリー、ステージ領域、未追跡ファイルの状態を確認するコマンドです。git status --shortの結果を回退記録へ残し、未コミットの修正をrc.7側へ誤って持ち込まないようにします。
回退先は「古いフォルダーを残す」だけでは不十分です。旧タグ、旧設定、作業ディレクトリ、起動コマンドをそろえ、同じ基準タスクを再実行できる状態にします。Time Machineを使う場合は、Appleのバックアップ内容と復元手順を確認し、旧環境を一度起動してから移行判定を進めてください。
DeepSeek Harness rc.7は直接上書きしてよいのか
結論は、唯一の稼働環境なら直接上書きしないです。ローカルMacで作業中の会話やプラグインを引き継ぎたい場合でも、まず隔離したチェックアウトで確認します。
ソースから検証する場合は、公式リポジトリを別ディレクトリへ取得し、公式タグを明示的に指定します。
git clone https://github.com/deepseek-ai/deepseek-harness.git dsh-rc7-check
cd dsh-rc7-check
git checkout dsh-v0.1.0-rc.7
corepack enable
pnpm install
pnpm run build
pnpm dsh web
DeepSeek Harness公式開発ガイドでは、Node.js、Corepack経由のpnpm、Gitなどの開発前提が案内されています。ただし、候補版の検証では、現在のブランチの説明をそのまま適用せず、チェックアウトしたタグ内のpackage.jsonとロックファイルを確認してください。
git checkoutはブランチやコミットを切り替える操作に加え、指定したファイルを復元する用途にも使われます。作業中のブランチを直接切り替えると未コミット変更を巻き込む可能性があるため、検証用の別ディレクトリまたは新しい作業ツリーを使ってください。
npm経由で試す場合も、正式環境のグローバル状態に依存しない一時ディレクトリから起動します。起動後は、画面に表示されたバージョン、読み込まれた設定層、現在の作業ディレクトリを確認し、正式リポジトリを誤って選択していないことを確認してください。
隔離環境での確認項目を比較する
次の表は、どの環境で何を確認するかを決めるための判断表です。公式リリースに記載された変更項目を、あなたの作業で再現できる最小単位へ分解しています。詳細は、冒頭に示したrc.7公式リリースノートで確認してください。
| 検証対象 | 隔離環境での確認 | 合格の判断 | 不合格時の対応 |
|---|---|---|---|
| Web UI | 起動、モデル設定、ワークスペース選択 | 画面が開き、対象ワークスペースを選べる | 正式環境へ移さず、起動ログを保存 |
| モデル選択 | 既存のモデル設定で最小要求を送信 | 使用モデルと応答結果が一致する | API設定と設定層を再確認 |
| 会話履歴 | 大きな履歴と途中再開を確認 | 履歴が読み込まれ、続きから応答できる | 履歴を旧環境で保持 |
max-tokens |
切断される長さの会話を再開 | 切断後も会話が継続する | rc.7への移行を停止 |
| プラグイン | 設定カード、読み込み、実行を個別確認 | 必要な設定が表示され、処理が完了する | 旧版のプラグイン構成へ戻す |
| Bash | 低リスクの読み取り命令を実行 | 命令、承認、結果表示が一致する | 永続プロセスを停止してログを保存 |
| 画像添付 | MCPまたはACP経由で小さな画像を送る | 添付、保持、参照が成立する | 画像を含む正式タスクを保留 |
| Safari入力 | 入力、カーソル移動、下書き保持を確認 | 入力位置と表示位置が一致する | 別の対応ブラウザーで切り分ける |
この表で1項目でも未確認なら、正式環境への切り替えは保留です。特に会話履歴とBashは、起動できるかどうかだけでは判断できません。作業途中から再開できること、命令の承認境界が変わっていないことまで確認してください。
第二段階:初回起動は最小タスクだけにする
最初のタスクは、短い読み取り処理に限定します。DeepSeek Harness公式Web UIガイドで案内されているモデル設定、ワークスペース選択、リポジトリ確認の流れを基準にします。
実際には、次の順番で1項目ずつ実行します。
- Web UIを起動し、表示された接続先を確認します。
- モデル設定を読み込み、APIキーの参照先が隔離環境側になっているか確認します。
- 空の検証用ワークスペースを選択します。
- ファイル一覧の取得だけを依頼します。
- 変更を伴わないBash命令を1つ実行します。
- 結果が画面に戻ること、会話履歴へ保存されることを確認します。
API応答の確認では、表示されたモデル名と実際の応答結果を分けて記録します。DeepSeek API公式のチャット完了仕様では、応答に使用モデルやトークン使用量などの項目が含まれ、max_tokensで生成上限を指定できる仕様が説明されています。そのため、画面だけでなくログ側でも、どのモデルに送信されたかを確認してください。
各手順では、成功信号と失敗ログを残します。たとえば「ワークスペースを選択できた」「命令の承認画面が表示された」「結果が同じ会話へ戻った」というように、後から第三者が判断できる文面にします。途中で失敗した場合は、プラグイン追加や設定変更を重ねず、そこで停止してください。
注意:rc.7の修正項目は、あなたの環境での合格証明ではありません。リリースノートにある「修正済み」と、実際の会話履歴、Bash、Safariで再現しないことは分けて記録してください。
会話、プラグイン、画像添付を個別に回帰する
大きな履歴ではページ分割、max-tokensによる切断後の再開、途中で停止したタスクの継続をそれぞれ確認します。最初から本番の長い会話を開くのではなく、複製した履歴で「最後の応答を表示できるか」「続きの入力を受け付けるか」「新しい結果が同じスレッドへ保存されるか」を確認します。
プラグインは、読み込み成功だけでなく設定カードの表示まで確認します。rc.7ではプラグインが独自の設定カードを登録できるようになったため、以前の設定が見えない、初期値へ戻る、保存後に反映されないといった問題を切り分ける必要があります。変更内容は、冒頭に示した公式rc.7リリースノートの該当項目と照合してください。
MCPまたはACPの画像添付は、通常の文章タスクとは別の検証項目です。画像が送信できても、会話の再表示、別の処理への引き渡し、PTCモードでの入れ子画像の転送まで同じように成立するとは限りません。まず機密性の低い画像を1枚だけ使い、保存状態と再読み込み後の表示を確認します。
第三段階:BashとSafariの確認を後回しにしない
rc.7では、最小モードにおける永続Bashの遅延、PTY互換性、Safariの入力欄が変更対象です。したがって、Bashを単に「命令が実行できた」と判断せず、開始、承認、実行、結果表示、次の命令という一連の流れで確認します。根拠は、冒頭に示したrc.7公式リリースノートのBash関連項目です。
Safariでは、長文の入力、途中へのカーソル移動、入力を残したまま別カードを開く操作を試します。入力欄の位置ずれがなくても、下書き保持や再表示で内容が消えるなら、正式切り替えの合格にはしません。
Bashの検証では、最初から削除、移動、依存関係の変更を行う命令を使わないでください。作業ディレクトリの一覧表示、読み取り専用の環境確認、検証用ファイルの内容表示から始め、承認画面と実行結果が一致することを見ます。
rc.7の新機能は一つずつ受け入れる
Job Panelの子エージェント管理、MCPまたはACPの画像添付、DeepSeekモデルのlow推論強度は、別々の最小タスクとして確認します。Job Panelでは、タスクの作成、状態表示、完了結果の回収を個別に確認し、画像添付では送信と再表示を分けます。
low推論強度についても、応答が返ることだけでなく、あなたの通常タスクで必要な編集、ツール呼び出し、結果確認が成立するかを確認してください。DeepSeek APIの公式仕様では推論設定やmax_tokensがリクエスト項目として定義されていますが、Harness側の設定優先順位やプラグインの扱いは別途検証が必要です。API側の仕様とHarness側の実装を同じものとして扱わないでください。
一度に複数の新機能を有効にすると、失敗時に原因を特定できません。Job Panelだけ、画像添付だけ、推論強度だけという順に確認し、各タスクの入力、設定、結果、ログを個別に保存してください。
プラグインが開かない場合の回退手順
プラグインの設定カードが表示されない、読み込みが止まる、実行結果が返らない場合は、まずrc.7側のログと設定差分を保存します。その後、プラグインを追加し直す前に、旧版の起動コマンド、旧タグ、旧設定、旧ワークスペースを使って同じプラグインが動くか確認します。
回退は次の順で行います。
- rc.7のプロセスを停止します。
- 変更した設定とログを別の保存先へ退避します。
- 旧タグまたは旧インストール先を起動します。
- 会話履歴を読み込み、最後の作業位置を確認します。
- 低リスクの基準タスクで旧環境が戻ったことを確認します。
- rc.7側のプラグインを無効化し、最小構成で再調査します。
回退後に会話履歴が開けない場合は、履歴ファイルを直接編集せず、バックアップから別の検証用コピーを作ります。正式データへ上書き復元する前に、読み込みだけを確認するのが安全です。
最後に低リスクの作業から切り替える
合格後も、いきなり長期タスクや機密リポジトリを移さないでください。最初は破壊的変更のないリポジトリ、次に短時間の編集作業、その後に長時間タスクという順で切り替えます。各段階で、バージョン、使用モデル、プラグイン構成、結果、失敗ログ、回退方法を承認記録へ残します。
候補版を継続利用する場合は、公式Releaseの確認日を決め、基準タスクを同じ条件で再実行します。リリースのタグ、変更内容、検証結果、回退方法を同じ記録へまとめ、プラグイン更新やNode.jsの変更を同じ日に重ねないでください。
自宅のMacだけで並行検証できない場合は、DeepSeek HarnessのMac運用環境を確認し、正式環境と分離した作業場所を用意する方法があります。地域や接続経路を比較したい場合は、Macノードの選び方も、Web UIの接続確認と合わせて検討してください。
自前の1台だけで進める方法は、費用や管理対象を増やさずに済む反面、旧版とrc.7を同時に動かしにくく、作業中の会話やプラグインを止める必要があります。短期検証のためにMacを購入したり、既存の開発端末を長時間占有したりするより、リモートMacの受け入れ条件を先に決め、隔離環境を一時的に確保する方が、失敗時の回退を明確にしやすい場合があります。
ただし、長期にわたる安定した高負荷処理、専用の物理機器、ローカル接続が必須の作業では、レンタル環境が最適とは限りません。今回のように「旧環境を残したまま候補版を試す」「チームの承認前にWeb UIとプラグインを確認する」という目的なら、VPSMACのMac環境を検証用に使い、合格後だけ正式作業へ移す運用が現実的です。